現役石油元売り社員の呟き

石油ビジネス、資産運用、なんでも呟きます。石油業界に身を置く者として、少しでも皆さんのお役に立てる情報を発信していきます。

今後の原油情勢について

お久しぶりです。投稿が途切れてしまい、申し訳ございませんでした。

本日は、今後の原油情勢について少し触れていきたいと思っています。

需給では新型コロナウイルス感染拡大に対して経済活動は再開され始めましたが、アメリカでは一部の州でロックダウンの再開、インドは8月末までロックダウンが延長されました。

中国では7月の豪雨と洪水等の影響 で、需要回復が減速しつつあります。OPECは8月から減産数量を2百万BD緩和(増産)するとのことなので、需給は緩む方向に向かっていると言えるかと思います。経済・金融分野では 、引き続きコロナ第2波による世界経済の減速が懸念されていますし、地政学では、米中関係の緊張の高まりや、米とイランの対立もあり予断を許さない状況です。WTI価格は、需要回復の後退懸念と供給過多の懸念により、弱含む方向に変わっておきており、引き続き $40/B を中心に狭い幅の中で推移すると個人的に思っています。

 

【今後の原油マーケット上昇要因】

需給

  • OPEC+協調減産順守

  • 欧米経済活動再開、需給回復

  • 米国ノースダコタ州パイプライン閉鎖による供給減可能

金融経済

地政学

【今後の原油マーケット下落要因】

需給

金融経済

そんなところが考えられるのかなと思います。

国際エネルギー機関(IEA)によれば、2020年の世界の石油需要見通しとして、2Q のアジア を中心とした需要回復により予測引き上げしているものの、米国とブラジルとサウジ等では、COVID19 新規感染者が増
加していることから、3Q以降の予測を引き下げています。状況によってはさらに需要回復が遅れる可能性がありそうですね。

6月のOPEC+協調減産順守率は108%と目標以上に達成しました。ただし、サウジ、UAEクウェートの追加減産の貢献度が大きく、前月に引き続きイラクアンゴラ、ナイジェリア等の未達が目立ったようです。非OPECでは、北米が供給量を大幅に削減した模様です。

引き続き、原油の需給環境は刻々と変わっていくので、OPEC+ 協調減産合意内容についても注視していきたいと思います。